低身長

子どもの低身長とは

子どもの低身長とは低身長とは、その名の通り身長が低いことを指します。同じ性別で、同じ年・月に産まれた子どもが背の順で並んだとき、そのうちの2~3%が低身長に該当します。
ただ、通常はそのように並ぶことはありませんので、クラスで1番背が低いからといって「低身長」というわけではありません。
低身長が疾患によって引き起こされることもあるため、お子様の身長の低さが気になるという場合には、お早めに当院にご相談ください。

低身長は何センチから?低身長のチェック方法

成人では、一般には以下に該当する場合に「低身長」と判定されます。

  • 男性:約159cm未満
  • 女性:約147cm未満

低身長のチェック方法

低身長のチェック方法一方で子どもの場合は、未だ心身の発育の段階にあるため、以下のような方法で低身長チェック行います。
お子様の身長と体重の記録(成長曲線)と照らし合わせ、チェックしてみてください。
※「成長曲線」は、厚生労働省のHPから確認・ダウンロードすることができます。

  • 身長の伸びが1年間で5センチ未満
  • 身長が成長曲線の一番下の曲線を下回っている(-2SD以下)※次項の表を参照してください。
  • 身長の伸びが緩やかになり、成長曲線の通常の範囲から外れた
男の子
年齢 標準身長 -2SD
3歳0か月 93.3 86.4
4歳0か月 100.2 92.5
5歳0か月 106.7 98.1
6歳0か月 113.3 103.8
7歳0か月 119.6 109.5
8歳0か月 125.3 114.7
9歳0か月 130.9 119.7
10歳0か月 136.4 124.5
女の子
年齢 標準身長 -2SD
3歳0か月 92.2 85.5
4歳0か月 99.5 91.9
5歳0か月 106.2 97.7
6歳0か月 112.7 103.4
7歳0か月 118.8 108.8
8歳0か月 124.6 113.9
9歳0か月 130.5 118.8
10歳0か月 136.9 123.9

子どもの低身長の原因

子どもの低身長の主な原因には、以下のようなものがあります。

病気と考えにくいもの

  • 体質性低身長症

体質性低身長症とは、主に両親からの身長を規定する遺伝子を引き継ぐことで低身長に至ることを指します。
ただ、遺伝だけでなく、食事・睡眠といった環境因子も影響します。

ホルモンの異常によるもの

  • 成長ホルモン分泌不全性低身長症
  • 甲状腺機能低下症
  • 思春期早発症に起因する低身長 など

出産時の仮死状態、脳の外傷・腫瘍などによって下垂体から成長ホルモンが分泌されなくなることがあります。また、甲状腺機能低下症(橋本病)も、甲状腺ホルモンの分泌が低下し、低身長の原因になることがあります。

染色体異常によるもの

  • ターナー症候群
  • プラダーウイリー症候群

ターナー症候群は、女性にある2本のX染色体が1本のみであったり、一部が欠けていることで発症します。低身長に加え、卵巣の発育不全も起こるため、思春期がありません。心臓病、難聴を合併するケースもあります。
プラダーウィリー症状行軍は、15番目の染色体の変異によって起こる病気です。低身長に加え、性腺の発育不全、筋緊張の低下などが見られ、肥満・発達障害を合併することがあります。

小さく生まれた関係によるもの

  • SGA性低身長

妊娠満期で産まれながら身長・体重が不十分であったり、早産でも妊娠週数に対して小さく産まれることを指します。

骨や軟骨の異常によるもの

  • 軟骨無形成症
  • 軟骨低形成症

骨・軟骨の異常によって正常な身長の伸び、骨格形成がなされません。胴体に対して手足が短いといった身体的な特徴が見られます。遺伝性がありますが、突然変異として発症するケースも見られます。

心臓・肝臓・腎臓など臓器の異常

心臓・腎臓・肝臓の異常によって十分な栄養を身体に取り込むことができず、低身長になることがあります。
各疾患の治療が必要です。

低身長症の特徴はある?

「身長が低い、伸びない」といった体の発達に関する症状に加え、背景に疾患がある場合にはその疾患の症状が見られます。
また一般に、低身長の方は同年齢の人と比べて幼い顔をしている傾向があります。
軟骨無形成症、軟骨低形成症などの一部の疾患を除き、身体のバランスは均整がとれていることが多くなります。

低身長の検査方法

低身長の検査方法問診の上、身長・体重測定、レントゲン検査、血液検査などを行い、治療方針を決定します。
身長や体重を記録したもの(母子健康手帳、健診結果など)がございましたら、お持ちくださいますようお願いします。

低身長の治療方法

生活栄養指導、ホルモン治療を行います。
ホルモン治療とは、甲状腺機能低下症(橋本病)に対する「甲状腺ホルモン」の投与、成長ホルモン分泌不全性低身長・ターナー症候群・軟骨無形性症・軟骨低形成症・慢性腎不全低身長症・プラダーウイリー症候群に対する「成長ホルモン」の投与のことを指します。

ホルモン治療の効果はある?

成長ホルモン分泌不全性低身長症、ターナー症候群に対するホルモン治療では、良好な成績が得られています。
ただ、それ以外の疾患に対するホルモン治療は認可されてからの期間が短いため、十分な統計がとれていません。

治療はいつから始める?いつまでやる?

一般に、ホルモン治療は小学生のうちに開始することが望ましいとされています。生活栄養指導は、すぐにでも開始します。
治療の終了は、希望身長に達しない限り、18歳くらいまで継続することをおすすめします。18歳になっても希望身長に達しないという場合にも、治療を継続することが可能です。

受診の目安

受診の目安受診の目安は、子どもの低身長の判定基準に該当したときとなります。
つまり、身長の伸びが1年間で5センチ未満であった場合、身長が成長曲線の一番下の曲線を下回っている(-2SD以下)場合、身長の伸びが緩やかになり成長曲線の通常の範囲から外れた場合などです。
また上記に該当しない場合にも、お子様の身長の低さ、伸びの小ささが気になる場合には、お気軽に当院にご相談ください。

子どもの身長を伸ばすには規則正しい生活習慣!

子どもの身長を伸ばすには規則正しい生活習慣!低身長に該当しない子どもでも、まわりと比べて身長が低いことが気になるというケースは少なくありません。中には、身長がコンプレックスとなり、積極性が失われてしまったというお子様も見られます。
子どもの身長を伸ばすためには、やはり栄養バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠が大切になります。運動といっても、特別にスポーツを習わせる必要はありません。外遊びを積極的するだけでも十分な運動になります。睡眠については、量(時間)だけでなく質も大切にしてあげてください。
規則正しい生活リズムを身体で覚えることは、将来、大人になってからの健康を守るという意味でも重要です。

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